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開幕レポート

朗読劇「たもつん」開幕!

物語は、張り切って応援歌を歌うヤベ先輩(今井隆文・落合モトキ)と、見るからにテンションの低いユーキチ(濵田崇裕・猪塚健太)、しゅうまい(浜野謙太・和田雅成)というシーンからスタートする。

ユーキチとしゅうまいの同級生「たもつん」の結婚式で余興を披露するために野球部の仲間に声をかけたというヤベ先輩と、たもつんとは卒業以来会っておらずヤベ先輩のことも覚えていないユーキチ、しゅうまいの温度差が面白い。手探りで記憶をたどる様子や気まずい空気感がリアルで、同情しつつ笑ってしまう。

また、物語が進むにつれ、3人それぞれの“ちょいダメ”なところが見えてくる。
悪い人ではないが空回りしがちなヤベ先輩、良くも悪くも適当なしゅうまい、2人に振り回される苦労人かと思いきや、時折ダメ人間っぷりを発揮するユーキチ。どこか親近感を覚える3人が繰り広げる会話が心地良く、聞いているだけで楽しくなる。ふとしたことで打ち解け、学生時代よりも仲良くなる姿に共感する人も多いのではないだろうか。
3人が余興の練習を通して友情を深めていくコミカルな流れの中で、空気をガラリと変えるのがダーヤマ先輩(コッセこういち・今井隆文)とミナミン(渡邉美穂)だ。物語が転換するシーンにおいて確かな存在感を発揮し、緩急をつけている。

悪い意味で体育会系らしさ全開のダーヤマ先輩は、クセの強い芝居で場をひりつかせる。ミナミンはちょっとした動作の可愛さ、ユーキチたちへのそっけない態度がリアル。登場人物全員がちょっと変なのだが、「こういう人、いる」と思わせる絶妙なバランスとなっている。

Aチームは、ユーキチとしゅうまい、ヤベ先輩という凸凹トリオのバランスが良く、ダーヤマ先輩とミナミンのインパクトによって緩急がしっかりとついていた。2025年から本作に参加している浜野と渡邉、今井の安定感の元、初めて朗読劇に挑む濵田とコッセも堂々とした芝居を見せていた。

Bチームは、ふとした瞬間に学生時代のヒエラルキーを感じさせるリアリティ、コミカルとシリアスの切り替えの速さによって、緊張感のある面白さを作り上げている。2025年に引き続きヤベ先輩を演じる落合が自由に遊び、猪塚と和田も負けじと仕掛ける、和気あいあいとしつつバチバチした空気に引き込まれた。

同じ脚本でも、キャラクターの解釈や関係性の見せ方によって印象が大きく変わるのも本作の面白さ。それぞれのチームがどのように作り上げたのか見比べるのも楽しいのではないだろうか。

学生時代の苦労話や認識のずれ、青春のほろ苦さなど、誰もが共感できるだろう本作。大人になったからわかる優しさにほろりとくるシーンも多く、コミカルなだけではない魅力を感じられるはずだ。

3人の友情の行方、3人がたもつんの結婚を無事に祝うことができるのかどうかは、ぜひ劇場で確かめてほしい。
開幕キャストコメント
濵⽥崇裕
ユーキチ 役(Aチーム)
初めての朗読劇ですが、初日の立ち稽古から緊張も解け、素直に楽しんで稽古ができました。見どころは、終始台本を持ちながら日常会話で漫才をしているような掛け合い(笑)と、キャラの濃い登場人物たちの成長です。演じさせていただく中でも、皆様の心に響くメッセージがあると感じています。
そして劇場に足を運んでくださる皆様へ、暑い日が続いています。体調やお足元にお気を付けてお越しください。なにより、楽しんでください。お待ちしています。
猪塚健太
ユーキチ 役(Bチーム)
「たもつん」が無事に開幕しました!稽古場から劇場へと場所を変え、セットと共にリハーサルをしましたが、まぁハプニングのオンパレード!僕はすぐに朗読台本を壊しました笑。
本番もこの勢いでどんなことになってしまうんだろうとワクワクしておりますが、お客様にはそんなところも含めて楽しんで頂ければと思います!朗読劇だからこそ実現したこのメンバーでの「たもつん」をぜひお楽しみください!
浜野謙太
しゅうまい 役(Aチーム)
びっくりしました。「たもつん」経験者としてはキャストが変わるとこんなに違うのかと!去年のも去年ので良かったですけど、何!?この舞台上に変な人しかいない感!!! 渡邉さんまで含めて変な人たちの集まりになってます。でも不思議かな、だからヒリヒリする一言がちゃんと入ってきたりする。きっと当日なんか起こります(笑)そんな安心感からくるワクワク。
初めてお見かけした時からずっと思ってる事なんですが、いやー、濵ちゃんて本当面白い。
和⽥雅成
しゅうまい 役(Bチーム)
稽古を終えて、改めて朗読劇の難しさと楽しさを感じました。どんなことがあっても、物語は進みます、人生は進みます。その歩みの中で、少しでも優しさに触れ、前へ進む力となるような一筋の光を、この作品を通して皆様にお届けできたらと思っています。
この夏にぴったりの、熱くて優しい物語です。皆様の心にそっと寄り添えますように。劇場でお待ちしています。
落合モトキ
ヤベ先輩 役(Bチーム)
まずは再演に参加できる事大変嬉しく思います。そして約1年ぶりに「たもつん」の台本を読んだのですが"え?なにこれ面白い!"と雷に打たれたような衝撃でした。去年の作品を踏襲せず、新鮮で更に面白い「たもつん」をお届けします。
夏休みでどこも混み合ってると思われます!どうぞ涼しい劇場で「たもつん」を堪能していただければ。是非お待ちしてます。
コッセこういち
ダーヤマ先輩 役(Aチーム)
あっという間の稽古期間でした。都度都度新しい発見があり、お客様同様私もワクワクドキドキで本番が楽しみです。それぞれのキャラや関係性など、ぜひ物語に入り込んで楽しんでいただけたら嬉しいです。
劇場でしか味わえないライブ感や空気を、皆さんと一緒に共有できることを楽しみにしています。
渡邉美穂
ミナミン
昨年と今年と合わせて5つのチームを観てきましたが、どのチームもそれぞれの色があって魅力的です。私自身も同じミナミンと言えど、昨年とは衣装も変わって役のイメージも変わっていると思います。
「朗読劇ってこんなに動き回るものなのか!」と驚かれる方もいらっしゃるかと思いますが、それ故の躍動感やライブ感を感じてもらえたら嬉しいです。各チーム毎公演ごとに新たな発見があると思うので、是非楽しんでください!
今井隆⽂
演出/ヤベ先輩 役(Aチーム)/ダーヤマ先輩 役(Bチーム)
両チームの稽古が終了しました!どちらも、全然雰囲気がちがいます!公演尺もやっぱり全然違いました!通常の公演なら考えられないぐらいの尺の違いです。(笑)両チームの見たままの感想は、Aチームは弱小野球部。Bチームは強豪野球部。という、すごくアバウトな印象でこのコメントを書いています。そして、1年ぶりにこの『たもつん』を立ち上げてみて、この作品の持つ力に驚かされています。何度やっても、新鮮な気持ちでこの世界に入れる、不思議な魅力のある作品です。
この公演期間中、一度として同じ空間にはならないと思いますので、ぜひ、来てくださる一回を楽しんでいただければ幸いです。劇場でお待ちしております。一緒に楽しみましょう!!
稽古場レポート